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この「きものコラム」について

この「きものコラム」はおおよそ1998年〜2000年頃に書かれた文章です。
当時は大きな反響を呼びましたが、それから10年以上の年月が経過し、
その当時と比べますと大きく改善した事項、あまり変わらない事項、かえって悪化した事項等、
「男のきもの」を取り巻く状況は大きく変化しております。
現在の状況とは大きく異なる文章もありますが、
当時のままの文章で掲載しております事をご了承下さい。
(明らかな間違い・勘違い等は適宜修正・注釈追加等しております。)

きものイベント・考

「きものを着る機会がない!」と言う声に答えてかどうか(?)、
最近、「個人」主催の、きものイベント/オフ会、よくあります。

きものを着て出歩こう!という趣旨は歓迎できますが、
なぜか、「きものイベント」っていうと、
ものすごく「お高い」っていうのがある、と感じています。
どこか高級な場所を借りて、フルコースとか懐石とかを食べて、
そして仰々しい記念撮影かなにかをして・・・
というステレオタイプが出来上がっているような気がします。
なんか、きものイベント、っていうと、み〜んな、こんな感じ なんですね。。。
(しかも、個人主催のはずなのに、なんでこんな所
(料金/立地的に)を取れたんだ?というのもあります。)

別に高級なホテルや料亭でやるな!と言っているわけではありません。

また、お高い物はだめだ!と言うわけではなく、
お高い物から庶民的な物まで会費も会場も選択の幅があればいい、
と思うのですが、現実はお高い物ばかり。

なんか、そういうのを見てると、 「きもの」って特別な物!とか、
「きものは金持ちの道楽」っていう
思い込み を加速させるような気がします。

もしかしたら、
「きものを着る我々は特別な存在である」
と言う事を誇示したい
のか?
という風にすら感じ取れてしまいます。

私としては、少なくとも、「きもの」と関わりのあるものは、なんでもお高くなくちゃいけない、
という事態だけは、避けたいのです。
正直いって、このようなお高いイベントだったら、
「もっときちんと着なきゃ行けない!」とか、思いますよね

その結果、一年に一度の晴れ舞台! とばかり、
みんな気合をいれて着る→高価な物を着る、

という事になってしまい、ますます 「イベントのためのきもの」になってしまい、
「安物?そんなのもってのほか」という意識が見え隠れするようになってきます。
(実際、そういう傾向が顕著なきものイベントが存在します)

たしかに、せっかく着物を着るのだから…
という考え方も、わからなくはないのですが。
男のきものを広めよう!という観点からすると、
逆効果なのでは?という気がします

また、こういう循環が進むと、
(イベント参加のためのきものを買うため)
短期的に見ると「呉服屋さんが儲かる」ことから、
一部の業界の方の思惑が入り込んで、
よりいっそう業界に都合のいいイベントになっている傾向が
あるように感じます。

実際の所、表向きは個人主催だが、実は・・・(以下略)
というイベントが存在するようです。

(なお、業界主催のイベントが悪い、とは一言も言っていません。
本当は個人イベントなのにいつのまにか
業界の言いなりになる/業界が乗っ取ることが問題なのです。)

また、良くも悪くも注目されるため、
「単なる売名のためのイベント」になっているものもあり、
いったい誰に向けての/誰のためのイベントなのか?と感じざるを得ません。

また、一部のきものイベントは(有名になりすぎた為か)、
「これに参加しない人はきものを着る資格無し」と言わんばかりの言動を取る方もおられ、
逆に参加の障壁を高くしてしまったり、
個人で楽しくきものを着ればいい、という方に対して障害になっているのでは?と感じます。

やっぱり、継続的にちょこちょこきものを着たい!というならば、
参加者が無理をしないレベルで、定期的に開催する、、
というイベント必要だと思います。
少なくとも、普通の人が告知を目にするきものイベントは、
お高い物ばかりだと思うのです。

たとえば、ただ単に、きものを着て鎌倉や浅草を歩く、とか、
どこか公民館とかを借りてお茶(茶道ではなく)するとか、
そういうの、あってもいいんじゃないかな?と思います。
(それを「イベント」と呼べるかどうかは別問題ですが)

現に、今のイベント形態では
「単なるコスプレ」「目立ちたがり屋のファッションショー」を
参加者に強要する会
になっており、
「普段着きもの派」 を遠ざける結果になっている事は否めません。

1998/09/25  文責 雅
1999/08/24 加筆修正
2000/12/01 加筆修正
2001/10/13 加筆修正
2001/12/01 加筆修正
2002/11/23 加筆修正

*この文章は、特定のイベントを批判する物ではありません。
*この文章では便宜的に「業界」という言葉を使っていますが、
着物にかかわる方全てが悪であるという意味ではありません。


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